2007年2月17日土曜日

体外受精による妊娠の手順

体外受精による妊娠は、大まかに言うと、以下のような手順で行われます。
 (1)採卵前に卵巣を刺激し、卵胞を大きくし卵を熟化させる
 (2)採卵
 (3)精子調整:採卵した卵子と精子を合わせる前に、より良い精子を集める
 (4)媒精:卵子と精子を合わせる。採卵後4時間後ぐらいに行う
 (5)授精の判定。媒精17~19時間後に行う
 (6)黄体期管理。胚移植前日あたりから、黄体ホルモンを注射
 (7)胚移植。通常、採卵後2~3日後に行う
 (8)妊娠判定。胚移植後14日目に行う
 体外受精による妊娠の成功率(1回の体外受精卵で出産できる確率)は、通常15%~20%、成功率が特に高い施設でも40~50%ほどだと言われています。
 体外受精をしたからといって、1回で妊娠が成功するとは限らないということが、この数字からもわかります。よって、体外受精による妊娠が失敗した場合は、医師と相談しながら次の方法を考えることになります。

体外受精による妊娠

体外受精による妊娠は、不妊治療の代表的なものの一つです。
 体外受精は、性交による女性の体内での受精ではなく、精子と卵子を採取して、培養液中で人為的に受精させることを差します。この受精卵を女性の体内に移植することで妊娠することができます。
 体外受精は、こう書くと簡単そうですが、実際は精子や卵子の採取が難しいケースなども少なくないため、これによって必ず妊娠できるというわけではありません。
 体外受精は、よく「人工受精」と混同されがちですが、「人工受精」の方は精子を人為的に子宮腔内に注入するもので、体内で受精させるという点で、体外受精による妊娠との違いがあります。

人工妊娠中絶の心構え

人工妊娠中絶は、近年の医療技術の向上のせいもあり、「できちゃったら堕ろせばいい」などと簡単に考えている方も多いようです。
 人工妊娠中絶は、かかる時間こそ短いものの、実際はかなり危険な手術です。特に妊娠12週を過ぎた場合は、胎児がある程度の大きさになっているため、分娩に近い形を取ることになり、肉体的苦痛も伴います。
 人工妊娠中絶は「受ければ終わり」ではありません。精神的・肉体的にも大きな傷が残ることも決して少なくないのです。最悪の場合、妊娠できない体になってしまったり、自殺の引き金になってしまったりすることも。
 人工妊娠中絶は、以上の理由から、女性にとってはできるだけ避けたい手術です。まして男性が簡単に「堕ろせ」と言うなんてもってのほか。もし「できたら堕ろせばいい」などと考えているくらいなら、最初から慎重に避妊を行いましょう。

人工妊娠中絶とは

人工妊娠中絶とは、胎児が母体外で生命を継続することの出来ない時期(妊娠22週未満)に、手術によって胎児を流産または早産させることを差します(これ以降は人工妊娠中絶はできません)。一般に「中絶」という場合は、この人工妊娠中絶のことを言います。
 人工妊娠中絶は、母体保護法第14条によって、一定の条件のもとに是認されています。その条件としては、「妊娠の継続又は分娩が、身体的・経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれがある場合」「強姦による妊娠」といったものです。「できちゃったけど子供は要らないから堕ろす」という、最も多く見られるケースにおいては、前者の条件が拡大解釈されて人工妊娠中絶が行われています。

つわりの対策

つわりは妊娠中の人の多くに見られ、悪心・吐気・食欲不振といった症状が出ます。多くの場合は妊娠2ヶ月~4ヶ月という限られた期間で終わりますが、妊娠中はただでさえ「お腹の赤ちゃんのためにも栄養を取らなくては」という焦りもあるでしょうし、なかなかつらいものですね。
 つわりの乗り切り方としては、たとえば以下のようなものがあります。
 ・ムリをしないで好きなもの・食べられるものを食べる。アイスやヨーグルト、果物など、さっぱりしたものが比較的食べやすい。
 ・空腹になると症状が悪くなるので、食事の回数を増やして空腹にならないようにする。食べられるものを常に傍らに。
 ・つわりで苦しんでいるほかの人や先輩ママと情報交換をすると、参考になることや気が楽になることも。
 以上のつわりの対策では間に合わないくらい症状がひどい場合は、医師に相談してみましょう。

つわりとは

つわりは、妊娠における代表的な症状で、妊娠した人の約8割はつわりを経験します。
 つわりの原因は、今のところまだはっきりとわかっていません。症状の出方にはかなり個人差がありますが、一般的には妊娠2ヶ月くらいで始まり、妊娠4ヵ月頃くらいまでに治まるのが普通です。しかし、中には妊娠後期まで続く人もいます。
 つわりの症状としては、主に悪心・吐気・食欲不振が挙げられます。多くの場合、つわりの際は酸味を好むようになる傾向があります。
 つわりの症状が悪化して日常生活が送れなくなるものは特に「妊娠悪阻」と呼ばれています。この場合は治療や入院が必要になります。

不妊検査の内容

妊娠できない理由は幾通りもあるため、不妊検査もいくつかの種類を受けることになります。
 不妊検査の主なものは以下のとおりです。
 ・基礎体温
 ・超音波検査による卵胞の観察
 ・黄体ホルモンの血液検査
 ・子宮卵管造影
 ・腹腔鏡
 ・卵管通気検査
 ・精液検査
 ・ホルモン検査
 ・性交後試験(ヒューナーテスト)
 ・超音波検査
 ・子宮鏡検査
 ・子宮内膜組織検査
 ・抗精子抗体検査
 ・頚管粘液検査
 ・超音波による卵胞径の計測
 ・尿中LH検査
 不妊検査の内容をこうして並べると、女性側に原因があるケースが多いと思われがちですが、実際は男性側に問題があるケースも決して少なくないので、不妊検査は夫婦揃って受けるものであると認識しましょう。